2008年10月01日

DIG OUT YOUR SOUL

待ちに待ったOASISの新しいアルバム『DIG OUT YOUR SOUL』が発売された。前作『DON'T BELIEVE THE TRUTH』でバンドは何かを掴んだのではと思ったのはボクだけだろうか。NOELが以前の作品を失敗作と言っていたのが、なんとなくわかったような気がしたのだ。と言っても、その彼の言う「失敗作」がどういけないのかわからないし、ボクは随分楽しんできたのだけど。その掴んだ何かというものが言い表せればよいのだが、それができれば評論家になれるだろう。

彼ら自身がBEATLESへの憧れを率直に語るため、彼らを現代のBEATLESと呼ぶ人がいることも知っている。でも、彼らの曲を聴くと決してBEATLESの模倣ばかりをしているわけではなく、ボクなどは思いのほか共通点は少ないのではないかと思っている。一方で、前のアルバムや今回のアルバムはBEATLESの『REVOLVER』を思い起こさせる…という雑誌の記事などはすごく良く分かる。このあたりが彼らが掴んだ何かだと思う。個々の楽曲を有機的につなぎ合わせて、アルバムとしてまとめあげるコツというか…、やはりボクには上手に言えそうにない。

さて、中身に少し触れたい。「I'M OUTTA TIME」はOASISらしい良い曲だが、LIAMが書いたと知って驚いた。NOELの曲では「FALLING DOWN」が素晴らしい。新しいタイプの曲だと思うが、やはりOASIS以外には似合わない。

素晴らしいアルバムだ。
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2008年09月10日

SEASON OF CHANGES

SEASON OF CHANGES』は、ドラムスのBRAIN BLADEがリーダーのバンドの3枚目のアルバム。アルバムを出すごとに少しずつ変化しているのがおもしろい。

1枚目の『BRAIN BLADE FELLOWSHIP』が発売されたのは、もう10年も前のことになる。プロデューサーはDANIEL LANOISで、この人らしい霞がかって霧に反射しているような雰囲気が特徴だった。2枚目の『PERCEPTUAL』では、ギターがKURT ROSENWINKELに代わった。DANIEL LANOISは演奏には参加しているものの、プロデュースはバンド・リーダーとその片腕が担っている。

3枚目のこれは、レコード会社も変わった。DANIEL LANOISはいなくなった。アルバムを特徴づけていたPEDAL STEEL GUITARもいなくなった。バンドの名前も「THE FELLOWSHIP BAND」になった。PAT METHENY GROUPに似てきたともいえるが、PAT METHENY GROUPのように誰かが目立っていないことや二人のSAXが聴ける違いがある。

ジャズといえば都会の夜の音楽というイメージがあるが、このバンドが表現しようとしていることは、アメリカの大多数を占めるであろう自然や素朴で質素な様式、原風景といえるものではないかとボクは思う。それは、1枚目から貫かれていることで、スケールは大きい。ジャズとしか括りようのない音楽かもしれないが、あなたのイメージするジャズと違うと思う。いかがか?
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2008年09月03日

SEEING THINGS

SEEING THINGS』のジャケットに写るJAKOB DYLANは、『BEFORE THE FLOOD』の頃のBOB DYLANにそっくりなので、やはり親子なのだなと妙に納得してしまった。

声や音楽はBRUCE SPRINGSTEENに似ていると、指摘する雑誌もあった。全体を通してアコースティック・ギターを中心とした演奏と歌であり、そのためにボスの『NEBRASKA』『THE GHOST OF TOM JOAD』を思い起こすのは、いたしかたないか。それらのアルバムが好きな方なら、このアルバムをきっと気に入ってもらえるだろうとも言えるのだが。

アルバムを聴き終えた感想は、思いのほか穏やかだということ。派手なシャウトもない。聴こえるギターは、ジャカジャカとストロークはせずに、おそらくはフィンガー・ピッキングしかしていないだろう。ボクが感じる穏やかさは、そういった技術的なことも当然あるにしても、それ以外の何かであると思う。無口な兄のような存在の人が、人気の少ない陽の当たるカフェの片隅でギターを爪弾いて歌いだし、歌い終えたと思ったらもういなくなってた…みたいなさりげなさといえばよいだろうか。

BOBの息子であることが、このアルバムを聴く妨げにならないことを願っている。
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2008年08月27日

TWO MEN WITH THE BLUES

ボクにとってWYNTON MARSALISの音楽は、心から楽しめるというものではない。ボクがWYNTONに持つ印象があまりよくないからである。純粋に音を楽しませてくれる前に、「いいか、音楽とはこうあらねばならないもので、演奏や聴くにもその方法というものがあるのだ」と、説教がまずあるような感じがするのだ。だから、ボクはなんとなくWYNTON MARSALISを敬遠している。

WILLIE NELSONについてはよく知らないが、BOB DYLANのデビュー30周年コンサートでの演奏は印象に強く残っている。ボディにポッカリと空いたガット・ギターで、DYLANの「WHAT WAS IT YOU WANTED」を歌った。そのギターはバキバキと強力な音がして、その穴ボコと共に心に焼きついるし、また、演奏した曲を当時の新しいアルバムから選んだそのセンスも、他のミュージシャンの多くが60〜70年代の曲を選んで演奏していたのとは違って、印象深く記憶されている。

その二人の共演アルバムが、『TWO MEN WITH THE BLUES』。主役はWILLIE NELSONの歌と思えるほど、WYNTONはバックに徹している感じがして、お説教臭さを意識することなく楽しめる。T-BONE WALKERのブルーズを、今の時代の技術で演奏・録音するとこんな感じになるのかもしれない。

このアルバムを聴いて、心のどこかで懐かしさを覚えたのだが、その景色はどこでボクのDNAに刷り込まれたのだろう?案外、トム&ジェリーなのではないだろうかと思ってしまったのだが、あながち間違いでもないと思う。
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2008年08月20日

CIRCUS MONEY

日本盤が発売されていないためか、あまり話題になっているとは思えないWALTER BECKER『CIRCUS MONEY』は実に良い。

ミュージシャンは、STEELY DAN『EVERYTHING MUST GO』とDONALD FAGEN『MORPH THE CAT』とほとんど同じ、任せて安心のラインアップ。プロデューサーはLARRY KLEINで、そういえばMADELEINE PEYROUXの『HALF THE PERFECT WORLD』の「I'M ALL RIGHT」はこのコンビだったなと思い出す。ほとんどの曲は、WALTERとLARRYの二人で書かれているようだ。STEELY DANに比べて穏やかな印象を受けるが、それはWALTERのボーカルから受ける印象からか、あるいはレゲエのリズムが見え隠れするからだろうか。

何もかも感心してしまうのだが、この人たちの使う音はどれもが心地よい。ボクの嫌いな銭湯でドラムを叩いたりしないし、エフェクターでいかにも作りましたというギターの音は聴かれない。ギターはもちろんエフェクターを使っているのだろうが、アコースティックな音に感じられる。

それにしても、日本盤は出る予定はないのかな?素晴らしいアルバムなのに…。
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2008年08月13日

THOSE BLUE NOTE YEARS

真ブルーノート入門・青春篇1939〜1957 』という2枚組みのコンピレーション・アルバムを聴いた。

ブルーノートの初録音の「MELANCHOLY」「BOOGIE WOOGIE STOMP」が収録されている。ブルーノートは、ここから始まったんだというありがたみがある。『ジャズメンとの約束』の「ライオンとウルフ」の章を読みながら聴きたい。最初のSPが売れなくてがっかりしても、「もう1枚つくればいいじゃないか」と決意するところ、よくぞ続けてくれましたと思うと同時に愛情の深さを感じる。

「SUMMERTIME」はJOHN COLTRANEがソプラノ・サックスを吹こうとしている頃、ブルー・ノートのオフィスに来て探していったそれなのかな?などと考えながら、楽しく聴いている。




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2008年08月06日

ジャズメンとの約束

ジャズメンとの約束』を読んだ。

ジャズ・ミュージシャンやジャズに係わる人たちのエピソードが、短編小説のように並んでいる。あっという間に読めてしまうテンポの良さは、またジャズのリズムであるかのよう。

そして、巻末には著者中山康樹氏のお気に入りのアルバムが30枚並ぶ。考えてみれば、こういうことをこのブログでボクはやっているんだ…と思った。






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2008年07月19日

VIVA LA VIDA

COLDPLAYの『VIVA LA VIDA』を聴いた。

まず最初に思ったことが、この前のアルバム『X&Y』でやりたかったことはこういうことだったのか、ということ。いくつもの別々の歌を使いながらも、アルバム1枚を通してまるで1曲を表現しているようなアルバムとでもいえばよいのか。サウンドも色々な楽器が使われているのだろうが、特別に何曲かだけはカラーが違うということがなく統一された印象を受ける。プロデューサーにBRIAN ENOの名前を見つけてなるほどと頷いてしまうし、なんとなくU2を思い出してもしまった。

普通のいい歌があるバンドが、前作ぐらいから背伸びを始めたかなと感じていたのだが、実に硬派で真面目なバンドになったなと感じた一枚。真面目だが、堅苦しくならずロックのダイナミズムは失わない。前作よりも評判はきっと良いだろうが、そこから来るプレッシャーに負けることなく、次のアルバムでも前進して欲しい。早すぎるだろうが、もう次のアルバムに期待してしまう。そう思わせてくれるのだから仕方ない。

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2008年07月09日

魂(ソウル)のゆくえ

本の帯には、「ソウル・ミュージック・ガイドの決定版」とあり、表紙はJAMES BROWNとくれば、『魂(ソウル)のゆくえ』(ピーター・バラカン著)を買わずにはいられない。ゴスペルから始まりヒップ・ホップの時代まで、ソウル・ミュージックの歴史が解説され、その時代の代表的なミュージシャンやアルバムが紹介されている。

ボクはソウル・ミュージックが大好きなのだが、聴いているアルバムはごく少ない。まず、何から聴き始めていいものか、という入り口の分かりづらさがボクにはある。代表的なアルバムから聴き始めたいのであるが、ソウル・ミュージックはその代表的なアルバムというのが分かりづらい。なぜならば、この本が教えてくれたことであるが、ロックがアルバムの時代に突入しても、ソウルはヒット曲中心のシングル盤志向だったから、代表的なアルバムというのがある時代まではない。音楽ファンはオリジナル・アルバムを全部集めてからベスト盤を手に入れなければならないという勝手な思い込みがあるボクは、だから、何から聴けばいいのか、難しくなっているのだと思う。この本は、そんなボクにヒット曲中心のシングル志向の時代の曲は、ベスト盤で聴けばいいんだよと教えてくれる。

また、新しい(聴いたことのないという意味で)音楽を聴いてみようという気にさせてくれるこの種の本は、懐の具合にとっては悪書と言える。
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2008年07月02日

ペット・サウンズ

ペット・サウンズ』(ジム・フジーリ著 村上春樹訳)を読んだ。BEACH BOYSの『PET SOUNDS』は、発売当初、アメリカでは商業的に成功しなかった。しかし、今ではこういう本(たった1枚のアルバムのことを!)も出されるほどにまでなった。BEACH BOYSのアルバムはベスト盤しか持っていないボクであるが、このアルバムだけは持っている。訳者あとがきの言葉を借りれば、“BEATLESの『SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』が僅かずつではあるが、当初の圧倒的なまでの新鮮さを失ってきたのに比べて、『PET SOUNDS』は何かしら新しい発見のようなものをもたらしてくれた。”ということなのだろう。

当時のアルバムを発売順に並べて聴いていくと、『PET SOUNDS』というアルバムのヘンテコさ加減がわかると思う。調べてみたら、DYLANの『BLONDE ON BLONDE』とは発売日までが一緒だった。分の悪さがなんとなく分かる気がする。

'65.12 BEATLES 『RUBBER SOUL』(UK)
'65.12 BYRDS 『TURN!TURN!TURN!
'66. 4 ROLLING STONES 『AFTERMATH』(UK)
'66. 5 BEACH BOYS 『PET SOUNDS』
'66. 5 BOB DYLAN 『BLONDE ON BLONDE
'66. 8 BEATLES 『REVOLVER

印象に残ったところを少し。「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES(間違った時代に生まれた)」に触れた部分で、“子供たちの不安定な心がこれほど混じり気なく表現された例は他になく、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』をひとつのヴァースとひとつのコーラスに縮めるとまさにこんな感じになるではあるまいか。”という部分。なるほどなと、うなずけてしまった。

BEATLESの『RUBBER SOUL』に触発され、ブライアン・ウィルソンがビジネス・ドラッグ・危うい精神状態・若い結婚・厄介な父親など問題を抱えながらも、このアルバムを産み出されたことは、奇跡であると同時に必然であったとも感じる。傑作たる大部分はブライアンによるところが大きいと思うが、やはりBEACH BOYSたらしめているのは、見事なハーモニーだろう。ボクの持っているCDには「CAROLINE NO」のあとに、コーラスだけのトラックがある。この見事さと言ったら…。
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